難聴について
 読んで字のごとく、「聴こえ」「難い」と書いて「難聴」と読みます。医学的な分類では、聾や中途失聴も難聴ということになりますが、聞こえの程度や失聴してからの期間、コミュニケーション手段の違いなどから考えると、聞こえにくい「難聴」と、ほとんど聞こえない「聾・中途失聴」に大きく分けることができると思います。聞こえの程度に違いのある「難聴」と「聾・中途失聴」ですが、障害の部位が、耳の内部という目に見えないところなので、障害があることが理解されにくいという点では同じです。

聞こえの仕組み 難聴の種類
耳は外耳、中耳、内耳、聴神経、中枢の脳に大別されてそれぞれの部分が大切な役割を持っています。


◆外耳
外耳は耳介、外耳道、鼓膜によって構成され、空気振動となって伝わってきた音を効率よく集音し、鼓膜によって機械的な振動に変換します。外耳道には共鳴という作用があり、会話の理解にとても大切な子音部分の増幅作用があります。自然のままの外耳道を保持することは重要なことなのです。

◆中耳
中耳には耳小骨、耳管などがあり、中耳炎という病気でよく知られる箇所です。耳小骨は鼓膜に接しているツチ骨、中間にあるキヌタ骨、内耳の前庭窓に接しているアブミ骨の三つの小さな骨で構成され、鼓膜によって変換された機械的振動を大きく増幅します。そのメカニズムは凸レンズで太陽光線を一点に集約すると紙が燃え出す原理に似ています。耳管は主に鼓膜で閉ざされた外耳と中耳の気圧調整をします。

◆内耳・聴神経・中枢の脳
耳小骨によって伝えられた機械振動は内耳に入り、どんな音が入ってきたかを感じ取り、かつその音の成分が分析されます。そして聴神経を通り脳へ伝えられます。この間の働きは大変複雑で、現代医学でも不明な点が多くあるようです。
◆伝音難聴
外耳、中耳に障害がある場合に起きる難聴で、鼓膜の損傷や、中耳炎などが代表的なものです。大部分は医学的治療によって聴力を回復させることができ、もし難聴が残っても補聴器を使用することにより言葉のきき取りは良くなります。

◆感音難聴
内耳以降に障害がある場合に起こる難聴で、単に小さな音がきこえなくなるばかりでなく、音の強弱に対する感覚異常が起こります。音は感知するが言葉の意味がわからないなどの問題を伴う場合が多くみられます。医学的治癒は難しく、一般的には補聴器を使って訓練する必要があります。

◆混合難聴
伝音難聴と感音難聴が合併したものです。

難聴の程度の分類
聴力の程度 平均聴力レベル 聞き取りの不自由度
正常 30db未満 ・普通の会話は不自由を感じない
・声が小さいとき聞き取れないことがある
軽度難聴 30〜50db未満 ・小さな声や囁き声は聞き取りにくい
・テレビの音が大きいと言われる
中等度難聴 50〜70db未満 ・普通の会話が聞きづらい
・自動車が傍に来て初めて気づく
高度難聴 70〜90db未満 ・大きな声でも聞きづらい
・大きな声でも聞き間違いが多い
重度難聴 90db〜 ・耳元での大きな声も聞きづらい
・日常の音声はほとんど聞こえない
難聴の聴力型と特徴
高音障害型
低い音に比べて高い音が聞きづらい。言葉の端々が聞き取りにくい。
水平型
低い音と高い音が同じくらい聞きづらい。会話になんとなく頼りなさを感じる。
低音障害型
高い音に比べて低い音が聞きづらい。


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