はたらくわんこたち



 介助犬や聴導犬より先に、道路交通法で法的に認められている盲導犬ですが、その中では「視覚に障害のある人が道路を歩くときは、白い杖(白杖)か国家公安委員会指定の盲導犬育成施設が訓練した盲導犬を連れていること」という盲導犬使用者に対しての義務しか認められておらず、2002年10月に施行された『身体障害者補助犬法』で、初めて、公共の施設や交通機関等への同伴(2003年10月からは、民間の施設も同様)する権利が法的に認められました。盲導犬には、白または黄色のハーネス(盲導犬用の胴輪)をつけることになっています。盲導犬使用者は、いつもこのハーネスを持って、盲導犬と街を歩き、盲導犬は使用者の指示を受けながら目的地まで安全に誘導していきます。盲導犬は、視覚に障害のある人の自立した生活の大きな支えになっているのです。


 介助犬とは、身体の不自由な人の手助けをするために特別なトレーニングを積んだ犬です。歩行が不自由な人の杖代わりとなって支えたり、歩くのを助けたり、自力で立ち上がれない人の起立を助けたりもします。また、手指が不自由な、電動車椅子を使う人に付き添って、物を持ってきたり、ドアを開けたり、体を動かすのを手伝うなど、身の回りの様々な細かい仕事をしたりします。しかし、全ての介助犬が、これらの仕事を全部するわけではなく、使用者の障害の部位や、程度などに合わせて、その人に必要な介助動作の訓練をします。いわば、セミオーダーの補助犬です。1頭の犬が介助犬として働けるのは、2歳から10歳ぐらいまでの約8年間(犬の健康状態や育成団体の考え方などで異なります)。その後は、育成団体のデモ犬として活躍したり、里親にもらわれて、家庭犬として余生を過ごしたりします。


 聴覚障害者のかわりにノックやブザーの音を聞いて、来訪者があることを知らせたり、ファックスの受信を知らせるなど、使用者が生活する中で必要とする音を知らせる訓練を受けた犬です。盲導犬や介助犬が、使用者の指示によって動くのに対して、聴導犬は自分で判断して、使用者に音を知らせます。また、一見して障害があることが分からない聴覚障害者ですが、聴導犬を同伴することで、周囲の人たちに「聞こえない」ということを理解してもらいやすくなるという、副産物的な効果も得られます。日本では、小型から中型の聴導犬がほとんどですが、外国には、ゴールデンレトリーバーなど、中型から大型の聴導犬も存在しています。
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